2023.11.06 | 健康コラム
コーヒーでお話を
介護施設からご帰宅する高齢者の後ろ姿を、介護スタッフたちが見送ります。
送迎ドライバーの私は一人で送り迎えしています。
だから特典があります。
施設をご利用の方と、誰にも邪魔されずに1対1でお話しできるのです。
時にはお互いに言いたいことを口に出す時もあります。
そしてつえを突いて家に入って行くおじいさんやおばあさんと、「それじゃあ、またね」と玄関先でお別れします。
お互いに同じ空間と時間を共有できる日々は、正直なところそう多くはないと思ったりします。
だから、みなさんからお聞きしたことは、しっかりと脳裏に焼き付けておきたいと思っています。
介護施設の業務に携わるようになってから、つくづく思うことがあります。
それは高齢になればなるほど、幼少の頃に戻るということです。
人生も最終章に差し掛かるに連れて、身の周りのことができなくなる。
そして思慮分別も付き難くなってしまいます。
人それぞれですが、おぼつかなくなった歩き方、お話の調子や投げ掛けられた事柄に対する反応。
挨拶の有無、食事の摂り方、夜間に限らない下のお世話等々。
介助・お世話の内容が幼児から感じ取ったことと、そのまま当てはまるケースが多いのです。
子ども返りが的確に感じられる事例と言えば、みんなが口を合わせて歌う曲目に童謡が多いことです。
年齢を横軸、一生に於いての心身の活力を縦軸にグラフで表すと、おおよそ山型の曲線になるでしょう。
だいたい20歳辺りを頂点とした山のかたちです。
裾野の部分である幼少期と老年期は、概ね同じくらいに対比できます。
だから介護施設ではお年寄りを“あやす”場面が多い。
本来はなだめる、機嫌を取るという表現が適当でしょう。
けど、こどもの頃に戻っているような場面を目にすると、甚だ無礼だけど、そんな表現もあるのかも知れません。
それでもなお、今まで長年人生を歩んで来られ、いろいろと経験された大先輩だなぁ~と気付かされる。
それこそ失礼千万でしょうが、勉強させてもらうことがあります。
先日ひとりのおばあさんから好きな飲み物を教えてもらいました。
健康的なおとなの飲み物「コーヒー」がお好きだったのです。
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