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2024.08.20 | 健康コラム

健康的にお酒を楽しむ

たった一人の社会なんてありません。
人のつながりの中では、様々な会話が飛び交っています。
共存している人たちが、互いの思いや主張を言い表す。
そうしなければ、相手に理解してもらえません。
結局良好な社会は築けません。
できるだけ正確に真意を分かり合うために、どう表現したら良いのかが難しい。
ニュアンスの伝え方が上手い、話術に長けた人ってすごいなぁ~と感心してしまいます。

感情に流されるままの物言いとか、その場にそぐわない言動。
誤解を招いて反感を買ってしまいます。
そもそも論を用いて、紛糾している事態を顧みる。
又は相手の立場に立って考えてみる。
すると、一方的な考え方に一旦ストップが掛かって、考え直すチャンスがやってくるかもしれません。

最近「やばい」とか「かわいい」という言葉が持つ意味が、使う場面に応じて変わって来たようです。
それは単に乱れた使い方とはちょっと違うように思う。
だけど、言葉の不適切な使い方だと思える場面にしばしば出くわします。

関東圏のJR線管轄下で電車の人身事故が起きた。
その運転手は不運にも管内で最年少の事故当事者(運転手)となってしまった。
もちろん故意に事故を起こしたのではありません。
だけど驚くなかれ、社内報では最年少記録を“達成”したという表現で紹介されていたそうです。
果たして達成という言葉を使う事例でしょうか?
事故を起こすことが目標なのでしょうか?
違いますよね。

季節の変わり目は衣替えのシーズン。
冬物のコートやセーターなどをクリーニングに出します。
クリーニング屋さんにとっては書き入れ時です。
店頭の受付テーブルに広げられたたくさんの衣類を目の前にして、「ああよかった。」と安堵のひとこと。
お客さんから預かる衣類が多い程、
商売繁盛ということになる。

それは百も承知しています。
けど、お客さん(私)にとっては、決してよくはありませんよね。
自分や家族の衣類が汚れてしまったわけですから。
気分が晴れず複雑な思いをしながらお店を後にしました。
自宅に帰る道すがら、後味が悪い思いに駆られた。
「店が流行るのは結構なことだけど、そんなにあからさまな表現しなくてもいいじゃないかなぁ。
それだったら、外来診療が込み合っているクリニックの受付事務員が、患者を前にして千客万来で喜んでいるのと同じだよ。」
助けて欲しいと縋る思いを蔑ろにしてしまうひと言。
場合によっては自らが不快な思いをさせてしまうような、
自粛自戒に足る出来事でした。

「大食い」とか「メガ盛り」という表現も歓迎しません。
それらを売り文句にしたCMやTV番組がある。片やそんな放送の合間に、ユニセフのサポートプログラムが流れる。
そしてイスラエルのガザ地区の惨状が映し出されるのです。
私がテレビ離れしているのは、全く相反する事柄が数秒で入れ替わる。
平気で飽食と飢餓、天国と地獄を見せ付けられるのが嫌だからです。
誰だってやるせない気持ちになりたくありませんよね。

私の祖母は1本の大瓶ビールを何日かに分けて、たいせつそうに飲んでいた。
「私はこれで十分。」と言いながら。
ほのぼのとした笑みを浮かべて、毎晩コップ2杯のビールを楽しんでいました。

ビンの中に余分に残っているお酒。
もったいないから飲んでしまえ!と勢いに任せた過剰な飲酒に走りがち。
その内アルコールの依存性に侵されてしまうかもしれません。
特に栓を開けてしまったビールは、時間が経つほど気が抜けて、味や風味が落ちてしまう。
ところが、私の祖母はもったいないから取って置く習慣を続けていた。
身の程をわきまえて、健康的なお酒を楽しんでいました。

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